【2025大阪・関西万博】 iPS心臓が拍動する“最前線”で、技術と責任を支える

2025年07月16日

2025年の大阪・関西万博において、世界中から注目を集めるパソナグループのパビリオン『PASONA NATUREVERSE』。その中でも目玉の展示である、iPS細胞や、iPS心筋シートの技術を活用した、生きた細胞による立体の心臓『iPS心臓』を裏方として静かに、しかし情熱的に支えるのは、パソナマスターズから就業中の川添さんです。



川添さんが担当するのは、開館前に『iPS心臓』の状態確認や交換作業。また、『iPS心臓』を培養液とともに展示容器内に収めるために、無菌の作業環境と展示容器を提供すること。「朝に交換した後も、何度か様子を見に行きます。心臓らしい拍動をし、お客様にみていただけているか、形は整っているか、大きさを保っているか…。責任感ですかね」と、穏やかに語ります。

 

 

▲『iPS心臓』展示の様子

定年後も、“知のチャレンジ”を続けて

長年、シャープ株式会社で半導体プロセスの要素技術開発や、イオンを放出する空気清浄機の効果・効能の評価技術の開発と試験等を担当され、専攻した物理学や生物物理学の視点から様々な研究開発テーマに従事してきた川添さん。定年後は再雇用で5年間の契約を満了。その後、奈良県の職業訓練校に通い、木造住宅の建築知識の習得や、内装施工と建築CADの実習にも挑戦しました。

「DIYが好きで、床や天井の張り替えも自分でできたらと思っていたんです。実家も古くて、直したいなと」
その学びと建築に対する興味が繋がり、屋根の解体作業員として重要文化財 法隆寺東院回廊の保存修理工事にも携わることに。

“見えない綺麗さ”を見極める眼と技

『iPS心臓』の管理では、培養液と一緒に展示容器に収める際に無菌状態が保たれるように、作業環境と展示容器の清潔さを提供し、清潔さと培養環境を維持し続ける正確さが求められます。

前職のイオンを放出する空気清浄器の効果・効能評価の経験が活きました。細菌やカビの除去性能を評価する仕事は、評価の対象外の細菌やカビが入りこまない無菌環境で行う必要があるため、そこに業務の親和性があったんですよね。

「容器は培養液を入れると16kg近く。繊細で、しかも力仕事。バックグラウンドがないとわからない“綺麗”のレベルがあるんです。そこを評価してもらっているのがうれしいですね」

 

健康の秘訣は、夫婦で始めた太極拳

「太極拳はもう35年以上続けてきました。きっかけは妻と一緒に始めた健康保険組合のスポーツ教室。身体の使い方を知るきっかけになりました。腰を痛めてしばらく休んでいますが、また再開したいですね」

 

新しいことに挑戦する、人生100年時代の姿

「iPS細胞」の知識はまったくありませんでしたが、大学時代からずっと興味を持ち続けている生物の領域の中で大いに関心を持っていた分野で、業務でイオンを放出する空気清浄器の評価業務を行っていた際に、細菌やカビを無菌環境で扱う経験はありました。基本があれば、新しいことでも学びながらできるんです」

最先端の展示プロジェクトに参加する彼の姿は、多くのシニアに勇気を与えます。

 

未来へ挑む人へ

「新しいことをやろうとすると“経験ありますか?”と聞かれます。しかし、やりながら覚えればいい。基本を押さえれば、あとはチャレンジあるのみです」

 

 

編集後記:

定年後もなお、科学と文化、そして健康にも気を付けながら、挑戦を続けるその姿は、シニア世代の働き方に新しい可能性を示してくれます。
パソナマスターズは、そんな挑戦するシニアをこれからも応援していきます。